※エリート上司が溺愛する〈架空の〉妻は私です。
「どんな人なんですかね?」
「きっと、自意識過剰なオラオラ系よ。ヘッドハンティングされたくらいでしょ?どうせ自信満々な傲慢な奴よ」
「ははは!!」
「どんな奴がこようが、この私が返り討ちにしてやるんだから」
「なんで戦う前提なんですかー。平和が一番ですよ」
紗良は苦笑いしながらファイティングポーズをとる木藤をいなした。
木藤は仕事の出来るキャリアウーマン。女だてらに男性陣に混じり法人営業をこなし、いくつも大口の契約を取り付けてきた。
優秀な成績をおさめた社員に贈られる社長賞を受賞したこともあり、二課のエースとも呼ばれていた。
「我孫子課長みたいな人だといいですね」
「ホント、それ」
素直な気持ちを吐露すると、木藤は同意するように力強く頷いた。
我孫子課長の人徳によるものなのか、実は典型的なオラオラ系の課長が率いる一課よりも二課の方が売上成績が良かったりする。