※エリート上司が溺愛する〈架空の〉妻は私です。

 翌週の月曜日、出社した紗良は吉住に平謝りした。

「吉住くんっ!!本当にすみませんでした!!」
「三船さん、あの後大丈夫でした?」
「はい。お陰様で……。幹事なのにすっかり潰れちゃってごめんね」
「いいえ。大丈夫っす。三船さんの酔い潰れたところ、すっげえ面白かったんで」

 吉住は万事オッケーだと言わんばかりにいい笑顔で親指を立てた。

 会費は事前に会社で集めておいたが、お店への支払いや、忘れ物の確認などの飲み会当日の諸々の仕事は全て吉住がやってくれたと静流からは聞いている。

「出来る後輩で先輩は嬉しいよ……」
「あざーす。詫びのエナドリお待ちしてます!!」

 出来る後輩の部分は否定しないのが新時代の社員らしい。

 紗良は昼休みになると詫びのエナドリを買いに走った。生憎と会社の階下にあるコンビニでは吉住が愛飲している銘柄が品切れだったので、わざわざビルの外のコンビニまで出かけた。エナドリの二、三本でチャラにしてもらえるなら安い買い物だ。

 多大な迷惑をかけたもう一人の人物、静流とは普段は当番制にしている共有部分のリビング、トイレ、洗面所、風呂の掃除をひと月変わるということで話をつけた。
 なんてこった。一杯のお酒のせいでこんなことになるなんて。もう飲み会では絶対飲まない!

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