チャット恋愛注意報!! 〜フジヤマ過去編〜
『高校生ルーム8』を出てすぐに、深く深く息を吐き出す。
「……連絡先の交換しときゃよかった」
と、ポツリと言う。
まさかYUKIの方から連絡先のことを言われるとは思っていなかった。
突然すぎて、焦って「悪徳業者に売る気か!?」とか言っちゃったけど、マジで交換しときゃよかった。
仮に悪徳業者だったのなら、メールアドレスを変えれば済むことだ。
YUKIが本気で俺と友達になりたいと思ってくれていたのなら……かなり酷いことを言ってしまった。
YUKIはノリよく受け止めてくれた…ように見えたけど、実際はどうだっただろう。
どういう思いで連絡先の交換を申し出たんだろう。
本気で俺と友達になりたい、って思ってたのかな……?
「……とりあえず、寝るか」
フゥ、とまた息を吐き、パソコンをオフにする。
眠気が限界の時に色々考えても、答えなんか出ない。
というか、相手が居て成り立ってる事柄を俺一人で解決出来るわけがない。
「……YUKIはユキじゃない。 から、今まで通り行くだけだ」
また会えたらラッキー。
会えなかったら、はい残念でした。 で終わり。
俺はチャットを辞める気はないから、また必ず『高校生ルーム8』に顔を出す。
そこでYUKIと会えるかどうかは、YUKI次第だ。