私を甘やかしてくれる人いませんか?
そんな事件があった直後、また事件が起きた。
「未来、仕事中電話してしまってごめんなさい。今少しいい? 」
「お母さん。どうしたの? 」
母の声がこわばっていた。
「あなたを中傷する変な手紙が来たの。“新堂 未来 ご両親様宛”で・・・」
「何? なんて書いてあるの? 」
「“あんたの娘は、人の彼氏を奪いとる淫乱だ。売女だ。親の責任で彼氏と別れさせろ” そう書いてある。未来・・・心当たりある? 」
・・・こんなことするのは郁美さんしかいない・・・
・・・家まで突き止めてこんなことしてきた・・・
「お母さんごめんなさい。夜話すから、でも心配しないで。」
「心配しないでって言われても・・・」
「わかったって。ゴメン切るよ。」
未来は正志に連絡をした。正志は外回り中だったが、すぐに電話がかかって来た。
「わかった。今晩俺も未来の家に行っていい? 」
「えっ? 」
「まだご両親にご挨拶していなかったから、行きづらいけどきちんと話したい。」
「わかった。母に連絡しておく。」