約束された血の匂い

その22

その22
麻衣



目を覚ますと、優輔さんはすでに起きていて、髭剃り中だったわ

「おお、麻衣…、目が覚めたか」

「優輔さん、おはよう。もう出かけるの?」

「ああ、お前はゆっくりしてろ。疲れてるだろうから」

「ええ。ありがとう」

「そうだ、剣崎さんには今日、連絡するんだったな」

私は「うん」とだけ言った

既に昨日の件は、彼からも剣崎さんへ報告済だけど、それとは別に、私からは剣崎さんへ定期連絡をすることになっている

”以前”のように


...



「昨日言い忘れたんだが、兄貴はしばらく静岡に入ってるから、今後の連絡方法は変わるかもしれないな。まあ、今日のところは折返し待ちでいいが」

そうか…、剣崎さんは当分、明石田親分の元でいろいろ動くことになったって聞いてたんだわ

”然るべき時期”に備えて、関西系広域組織の各組と、今後を踏まえた関係を今から地ならししておく目的らしい

優輔さんは、明石田さんの地盤を引き継ぐ布石に着手しているんだと言ってた

それで、剣崎さんが経営してたヒールズを、優輔さんに譲ったって訳でね

最も剣崎さんの方は、「お前たちの婚約祝いだ。ヒマを持て余すと麻衣がまた暴れ回るだろうから、店番は麻衣に任せるといい」ってことだ(笑)


...



「それと、兄貴からも話は出るだろうが、建田さんとこだった、ああマッドハウスにいた間宮が、ムショから出てくるんだ」

「そうなんだ…、あの人が戻るのか」

「例のクスリの件じゃ、こっちの指示通り動いたから、何かと接触が予想されるな」

「そうね。どうするの、相和会は。消しちゃうの?口を割られる前に…」

優輔さんはクスクスと笑ってるよ

「麻衣、そういうオプションは、どうしてもやむを得ない場合に限ってだ。俺たちはリスクを最大限避ける。何も、好き好んで殺しはやらないよ」

撲殺男が言っても説得力ないんだけど…(苦笑)

「まあ、今回は泳がす方針になりそうだ。しっかり目を光らせた上でな。お前なら、だいたいの展開はもう目に浮かぶだろう?」

ハハハ…、そう言うことね

「ばっちりよ、もう。あなたとのタッグはまだまだ続くわね。いいわ…。さらに面白いことになりそうだし」

「そんで、そっちの方も次の手は考えてるんだろう?」

「ふふ、抜かりはないわ。昨日の結末は、あなたからのシグナルでだいたいは想像ついてたから。数日中に動き出るでしょ」

「頼もしいな…(笑)」

...



私はダーリンの”出勤”を見送ってから、またベッドに戻ったわ

今日はもう少しゆっくりするつもりだ

で…!

午後からは早速、次の動きに入る






約束された血の匂い
ー完ー





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