ジェラシーを彷徨わせて
「るーか」
…………もう少し勇気が持てるようになったら、伝えてみるのもいいかもしれない。今は、まだむりだけど。
「るかチャン、先行ったんじゃねーの?」
「、きょうはたまたま、なんとなく待ってたの!」
「……じゃあ、やさしー涙花にごほうびあげる」
絡めとった指先を丁寧に折り曲げて、ぎゅっと包みこむ。触れ合った肩から、繋がれた手のひらから、重なった瞳から、……やさしく伝う体温は、ずるいくらいに心地いい。
「、……ごほうび、安いなあ」
……いつか、自分から繋げる日がきますように。
そんな気持ちを込めて、ぎゅう、と手のひらを握り返した。
♥To be continued ♥


