大江戸ガーディアンズ

「美鶴」

兵馬は妻の名を呼んだ。

「次に会うときは、我が松波の屋敷だ。
……待っておるぞ」


美鶴は満面の笑みを浮かべた。

客人に見せてきた振袖新造(ふりしん)の「舞ひつる」でも……

本日限りの光り輝くばかりの(あで)やかな遊女「胡蝶」でもない……

美鶴そのものの(おの)ずから出た笑顔だった。


兵馬はまた——

我が魂を引っこ抜かれた。


゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚


和佐を追って、美鶴も部屋を出て行く。

兵馬は我が頬を一つ張った。無理矢理にでも正気に戻す。

そして、彦左を引っ立てて部屋をあとにした。

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