大江戸ガーディアンズ

受け取ったおなごは素早く袖を通して前を合わせると、

「姐さん、申し訳のうなんし」

とお辞儀しようとするゆえ、

「なにしていなんし、早う外にお逃げなんし。命より大事なものはありんせん。
今度からは素裸でもなんでも早うお逃げなんし」

と、美鶴は叱った。


それから、次々と紐を解いて、はらりと落ちた着物をほかの二人にも放る。

その二人も逃して、あとは我が身が逃げるだけ、と顔を上げた美鶴に見えたのは——


部屋いっぱいに広がる「火の世界」であった。

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