大江戸ガーディアンズ
讀賣が天下の往来で触れ回るとおり、先般より吉原で遊女の髪が結われた髷の根元からばっさりと切り落とされると云う忌むべき件が続いていた。
見目を生業にしている遊女でなくとも、髪は「おなごの命」である。
髪を切り落とされた遊女は見世に出られないのはもちろんであるが、心も深く傷ついたと見えどの妓も未だ寝付いていると云う。
——なぁにが、『狐か……はたまた物の怪、或いは妖の仕業か』ってんだ。
与太は奥歯をぎりり、と噛み締めた。
「是っ非とも、おいらがそいつの正体暴いてよ
——お縄にしてやるぜ」