サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
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彼の顔馴染みのお寿司屋さんで夕食を済ませた私たちは、駐車場へと戻って来た。
車に乗り込み、一息つく。
「あのっ……」
「ん?」
「私が口走ったばかりに、散財させてしまってすみません」
「大した額じゃないから、気にするな」
「えっ?」
「俺が買わなきゃ、母親がきっと桁が一つ多いのを用意しそうだから」
「ッ?!」
「会ったら分かると思うけど、マンションとか車とか、何でも買い与えたい人だから断るのが大変だと思う」
「え……」
「だから、気にするな」
「気にするなと言われても気にします。……私に何かして欲しいこととかありますか?」
私の安月給じゃ何も買えない。
きっと彼は何でも買えるだろうし、欲しいものなんてなさそうだ。
「肩叩きでも全身マッサージでもします」
「相変わらず面白いな」
「え?……私、面白いですか?」
「ん」
彼の中で私はどんなイメージなのだろう?
綺麗系でないのは承知してるけど、せめてフィアンセ役するなら『可愛い』と思われたい。
……そんな贅沢な感情に駆られた。
「映画でも観に行くか?それともドライブ?仕事で疲れてるなら、送って行くけど」
「っ?!…………選べないです」
「何で?」
「何でと聞かれても……」
どういうつもりで聞くのだろう?
いつもより時間が早いから?
『デート』をすると言ってたから?
ご両親に会うための話題づくりで?
彼の心意が分からず、答えられない。
葛城先輩の言葉が脳内で反芻する。
『好きか、好意を持ってるか』
本当にそれだったら嬉しいのに……。