【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「何も身体を起こす必要は無い。お前はこうやって寝てればいいんだ。あのときのようにな」
ルドルフは悦に入ったような笑みを浮かべている。アルベティーナはこれから起こることに不安と、仄かな期待を寄せていた。
「団長……。あ、灯りを消してください」
この部屋が明るいのは、小さなテーブルの両脇に燭台があるからだ。今は、二つの燭台が煌々と輝いている。
「なんだ。あのときは灯りがついている中で、お前を慰めてやっただろう? 今さら恥じらうのか?」
カッとアルベティーナの顔は熱を帯びた。あのときのことを持ち出されてしまっては、何も言えない。
「仕方ない。お前が嫌がるから、少しは灯りを落とそう」
ちっと舌打ちをしたルドルフは、一度寝台から離れ、燭台に灯されている蝋燭を一本ずつ残して、それ以外は消し去った。
「全部消しては、お前の顔が見えないからな」
ギシッと寝台が軋んだ。ルドルフの重みがくわわったからだ。ぼんやりとしか見えない薄闇の中、顔に息がかかったのはそれだけ彼の顔が近くにあるからだろう。
「とりあえず、これを飲め」
何やら小瓶を顔の前に差し出してきた。
「何ですか、これ」
ルドルフは悦に入ったような笑みを浮かべている。アルベティーナはこれから起こることに不安と、仄かな期待を寄せていた。
「団長……。あ、灯りを消してください」
この部屋が明るいのは、小さなテーブルの両脇に燭台があるからだ。今は、二つの燭台が煌々と輝いている。
「なんだ。あのときは灯りがついている中で、お前を慰めてやっただろう? 今さら恥じらうのか?」
カッとアルベティーナの顔は熱を帯びた。あのときのことを持ち出されてしまっては、何も言えない。
「仕方ない。お前が嫌がるから、少しは灯りを落とそう」
ちっと舌打ちをしたルドルフは、一度寝台から離れ、燭台に灯されている蝋燭を一本ずつ残して、それ以外は消し去った。
「全部消しては、お前の顔が見えないからな」
ギシッと寝台が軋んだ。ルドルフの重みがくわわったからだ。ぼんやりとしか見えない薄闇の中、顔に息がかかったのはそれだけ彼の顔が近くにあるからだろう。
「とりあえず、これを飲め」
何やら小瓶を顔の前に差し出してきた。
「何ですか、これ」