隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
 二人は隙間なく繋がったままお互いに手を伸ばし、しばらく抱き合っていた。
「ティナ」
 ルドルフにその名で呼ばれると、アルベティーナの顔は緩んでしまう。というのも、どこか彼の特別になることができたという思いが込み上げてくるからだ。
「団長」
「ではなく、名前で呼べと言っただろ」
 ルドルフが笑い、アルベティーナの胸元にある膨れ上がった実を摘まむ。
「んっ……」
「お前が俺を団長と呼ぶたびに、お仕置きをしてやる」
「や、やめてください……」
 アルベティーナは顔を真っ赤にしながら身をよじったが、身体は彼に捉われたままだった。

◇◆◇◆

 ひとしきり欲望を解放したルドルフは、彼女の足を解放した。
 くたっと力なく寝台の上に投げ出される細い左足。
 どうやら彼女は、気を失ってしまったらしい。
 ルドルフはするりと腰を引いた。目を閉じる彼女の瞼に、軽く唇を落とす。
「私から逃げることなどできないのだよ、アルベティーナ・ヘドマン。いや、アルベティーナ・ルヴィ・マルグレット」
 彼女を見つめる()の眼差しは、どこか穏やかさに満ちていた。
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