【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「父と母に、君を正式に婚約者として決めたことを伝えるが。異論はないな?」
そう問われても、アルベティーナには「はい」としか答えることしかできなかった。
シーグルードが食事を片付け、部屋を出ていった。王太子である彼にそこまでやらせてしまうことが心苦しいと思いつつも、アルベティーナは何をしたらいいのかが全くわからなかった。
寝台の上に浅く腰かけ、シーグルードのことを考える。
アルベティーナがシーグルードと会ったのは、デビュタントの時と、騎士団に入団したとき。その二回だけ。他はルドルフとしての彼だ。
シーグルードの地毛は金色らしい。だが、頻繁にルドルフと入れ替わっていたことから黒髪に染め上げ、シーグルードとして仕事をすべきときにはあのような鬘を着用していたとのこと。
今までのルドルフとしての彼と、今のシーグルードとしての彼が違い過ぎて、戸惑いさえ覚えてしまう。
(それもこれも。私のため、なのよね……)
トントントン――。
突然、扉を叩かれ、アルベティーナは大きく身体を震わせた。
「はい」
「失礼します」
三人の女性が部屋の中へと入ってきた。どうやら今日からアルベティーナ付の侍女となるように、シーグルードから命じられたらしい。
そう問われても、アルベティーナには「はい」としか答えることしかできなかった。
シーグルードが食事を片付け、部屋を出ていった。王太子である彼にそこまでやらせてしまうことが心苦しいと思いつつも、アルベティーナは何をしたらいいのかが全くわからなかった。
寝台の上に浅く腰かけ、シーグルードのことを考える。
アルベティーナがシーグルードと会ったのは、デビュタントの時と、騎士団に入団したとき。その二回だけ。他はルドルフとしての彼だ。
シーグルードの地毛は金色らしい。だが、頻繁にルドルフと入れ替わっていたことから黒髪に染め上げ、シーグルードとして仕事をすべきときにはあのような鬘を着用していたとのこと。
今までのルドルフとしての彼と、今のシーグルードとしての彼が違い過ぎて、戸惑いさえ覚えてしまう。
(それもこれも。私のため、なのよね……)
トントントン――。
突然、扉を叩かれ、アルベティーナは大きく身体を震わせた。
「はい」
「失礼します」
三人の女性が部屋の中へと入ってきた。どうやら今日からアルベティーナ付の侍女となるように、シーグルードから命じられたらしい。