【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「それで。私をこのような場所に連れてきて、どのようなつもりですか?」
口元にカップを寄せたまま、マティアスはふっと笑った。そして、一口飲む。彼の全ての動作がわざとらしく見えて、アルベティーナの心には苛立ちだけがつのっていく。だが、その苛立ちに感情を支配されてしまうと、大事なことを見失うと、散々ルドルフであったシーグルードから言われていた言葉。
アルベティーナは大きく息を吸い、ゆっくりと息を吐く。
彼が言葉を吐き出すことを待つ。
「僕の妹は、利口なのか馬鹿なのか。よくわからないな。君は、マルグレットの現状を知らないのか? 王が誰であるかも」
「知ってます」
「だったら、わかるだろう? 僕たちはあの叔父が嫌いなんだよ。きれいごとだけを並べ立てて、国を統治しようとしている叔父が」
「ですが。あなたは派閥争いで負けたのでしょう? そう、聞いておりますが?」
アルベティーナはわざと挑発的な言い方をした。マティアスという男を探るために。
エステリは二人の話など、興味がないかのようにお菓子に手を伸ばしている。
「ああ。そうだ。負けた。だから、大事な仲間をたくさん失ったんだ」
「仕返しでもするつもりですか?」
「仕返し? とんでもない。正しい者をあの国の王につけるだけだ。父の血を継ぐ者を」
マティアスは顔を横に向け、じっとアルベティーナの顔を見つめてきた。アルベティーナはけして彼を見ようとはしない。じっとテーブルの上に視線を向けている。
口元にカップを寄せたまま、マティアスはふっと笑った。そして、一口飲む。彼の全ての動作がわざとらしく見えて、アルベティーナの心には苛立ちだけがつのっていく。だが、その苛立ちに感情を支配されてしまうと、大事なことを見失うと、散々ルドルフであったシーグルードから言われていた言葉。
アルベティーナは大きく息を吸い、ゆっくりと息を吐く。
彼が言葉を吐き出すことを待つ。
「僕の妹は、利口なのか馬鹿なのか。よくわからないな。君は、マルグレットの現状を知らないのか? 王が誰であるかも」
「知ってます」
「だったら、わかるだろう? 僕たちはあの叔父が嫌いなんだよ。きれいごとだけを並べ立てて、国を統治しようとしている叔父が」
「ですが。あなたは派閥争いで負けたのでしょう? そう、聞いておりますが?」
アルベティーナはわざと挑発的な言い方をした。マティアスという男を探るために。
エステリは二人の話など、興味がないかのようにお菓子に手を伸ばしている。
「ああ。そうだ。負けた。だから、大事な仲間をたくさん失ったんだ」
「仕返しでもするつもりですか?」
「仕返し? とんでもない。正しい者をあの国の王につけるだけだ。父の血を継ぐ者を」
マティアスは顔を横に向け、じっとアルベティーナの顔を見つめてきた。アルベティーナはけして彼を見ようとはしない。じっとテーブルの上に視線を向けている。