【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
気が付けば、その場に残っているのはアルベティーナとエルッキ。そして、いつからいたのだろうか、彼女たちの父親であるコンラードまでもがそこにいた。
「ティーナ、無事か?」
コンラードはアルベティーナを案じて声をかける。
「あ、はい。ですが、ドレスが汚れてしまいました。これでは、お母さまに怒られてしまいます」
「そうだな。お前の行動はデビュダントとしては相応しくない。だが、ヘドマン辺境伯の私兵団としては、正しい行動をした。というわけで、私からもアンヌッカには一緒に謝ろう」
「お父さま……」
「ティーナ、今日はもう帰ろうか」
コンラードがそう提案してくれたことに、アルベティーナはほっと胸を撫でおろした。白いドレスに跳ねてしまった泥。このような格好ではあの舞踏会に戻ることは難しいだろう。それよりも何よりも心に引っかかっているのは、あのアンヌッカである。
「それにしても父上。一体、ティーナに何を教え込んでいるのですか?」
「何がだ?」
「何がですか?」
父娘の声がぴったりと揃っていたため、エルッキは小さく息を吐いた。
「ティーナ、無事か?」
コンラードはアルベティーナを案じて声をかける。
「あ、はい。ですが、ドレスが汚れてしまいました。これでは、お母さまに怒られてしまいます」
「そうだな。お前の行動はデビュダントとしては相応しくない。だが、ヘドマン辺境伯の私兵団としては、正しい行動をした。というわけで、私からもアンヌッカには一緒に謝ろう」
「お父さま……」
「ティーナ、今日はもう帰ろうか」
コンラードがそう提案してくれたことに、アルベティーナはほっと胸を撫でおろした。白いドレスに跳ねてしまった泥。このような格好ではあの舞踏会に戻ることは難しいだろう。それよりも何よりも心に引っかかっているのは、あのアンヌッカである。
「それにしても父上。一体、ティーナに何を教え込んでいるのですか?」
「何がだ?」
「何がですか?」
父娘の声がぴったりと揃っていたため、エルッキは小さく息を吐いた。