【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「アルベティーナ・ヘドマンです。本日の任務の報告書をお持ちしました」
このとき、ルドルフから戻ってくる言葉には二種類ある。『入れ』か『そこに置いていけ』。これはイリダルから教えてもらったことでもある。
ルドルフから『入れ』と言われたらすぐに執務室に入り、報告書を手渡す。『そこに置いていけ』と言われたら、報告書を扉のポケットに入れ、「失礼します」と言って立ち去る。それ以外の行動をとればどうなるかわからない、というのがイリダルからの追加情報でもあった。
だからアルベティーナはルドルフからの言葉を待っていた。
「入れ」
その言葉が返ってきたとき、彼女はゴクリと唾を飲み込んだ。
「し、失礼します」
恐らく声は震えていただろう。不自然に裏返っていたかもしれない。
アルベティーナが扉を引いてルドルフの執務室に足を踏み入れた。そのまま真っすぐルドルフの元まで歩き、黙って報告書を手渡す。ルドルフの手にそれが渡った時に、アルベティーナは手を引くべきであった。だが、なぜか報告書から手を離すことができなかった。ルドルフが怪訝そうにアルベティーナを見上げてくる。眉間に皺を寄せているその姿は、アルベティーナを睨んでいるように見えなくもない。
「手を離せ。報告書を出しにきたんだろ?」
「あ。はい。申し訳ありません」
ルドルフから指摘され、彼女はパッと報告書から手を離した。
このとき、ルドルフから戻ってくる言葉には二種類ある。『入れ』か『そこに置いていけ』。これはイリダルから教えてもらったことでもある。
ルドルフから『入れ』と言われたらすぐに執務室に入り、報告書を手渡す。『そこに置いていけ』と言われたら、報告書を扉のポケットに入れ、「失礼します」と言って立ち去る。それ以外の行動をとればどうなるかわからない、というのがイリダルからの追加情報でもあった。
だからアルベティーナはルドルフからの言葉を待っていた。
「入れ」
その言葉が返ってきたとき、彼女はゴクリと唾を飲み込んだ。
「し、失礼します」
恐らく声は震えていただろう。不自然に裏返っていたかもしれない。
アルベティーナが扉を引いてルドルフの執務室に足を踏み入れた。そのまま真っすぐルドルフの元まで歩き、黙って報告書を手渡す。ルドルフの手にそれが渡った時に、アルベティーナは手を引くべきであった。だが、なぜか報告書から手を離すことができなかった。ルドルフが怪訝そうにアルベティーナを見上げてくる。眉間に皺を寄せているその姿は、アルベティーナを睨んでいるように見えなくもない。
「手を離せ。報告書を出しにきたんだろ?」
「あ。はい。申し訳ありません」
ルドルフから指摘され、彼女はパッと報告書から手を離した。