【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「あの、団長」
 アルベティーナが声をかけると、ルドルフはいぶかしげな視線を向けてきた。いつもであれば、どこかに笑みが隠されている視線であるはずなのに、今日に限ってそれが無い。
「なんだ」
「あの、一昨日はご迷惑をおかけしたようで。申し訳ありませんでした」
 アルベティーナが深々と頭を下げた。ルドルフからは何の言葉も返ってこない。アルベティーナは彼から言葉をかけられるまではこのままでいるつもりだった。恐らく彼もそれに気付いたのだろう。
「頭をあげろ」
 ほっと軽く息を吐いたアルベティーナは頭をあげて、ルドルフを見つめた。やはり彼の顔はどこか不機嫌のようにも見える。
「一昨日の件は、よくやった。お前のおかげで、あれに関わっていた大半の人間を取り押さえることができた」
「あ、はい……。ですが、私。団長にご迷惑をおかけしたかと」
 ルドルフがぴくりと片眉を震わせる。
「気にするな。と言っても、お前は気にするんだろう?」
「え、と。まあ、はい。少しは気にしています」
「少し気にするくらいなら、気にするな。お前のあげた功績の方がでかい。まあ、その分、騎士団(こっち)の仕事は増えたがな」
「あ、申し訳ございません」
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