セカンドバージン争奪戦~当事者は私ですけど?
向かいの江藤さんが私の手のひらをおしぼりで拭いてくれるのにボーッと任せておきながら
「…お二人のソーイウテクニックを聞くことになるとは思わなかった…」
と漏らすと
「まだ1割も伝えてない。ん、オーケーだ」
江藤さんが私の手をきゅっと握ってから返してくれる。
「よし、休憩終わり。ゆーあ、上に行くぞ」
「上?」
「この上に‘TEAM FUJIWARA’があるから顔出して帰ろう」
「そうなんだ。徒歩圏内にあるんだ」
「そ。江藤さん、ごちそうさまでした」
「本当にいいんですか?」
「結愛は特にいい」
「…ごちそうさまでした。戻ったら総務に行きます」
「待ってる」
「あ、チョコもありがとうございました」
「餌付けはんたーい」
「餌付けも愛でるうち」
「否定できない」
「…二人は気が合うんですね」
「結愛に惹かれる同類?」
「ビミョーな表現だ…」