エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 ゆっくりのんびりした時間を過ごすのが目的だったから、部屋ではなくひと棟借りられるタイプの旅館を選んだのだ。

「ここ、すごい静かじゃない?」

「だな」

 外から聞こえるのは温泉のお湯が露天風呂に流れ込む音と、風で木の葉が擦れる音だけ。

 受付があった本邸から離れているとはいえ、こんなに外界から切り離された気分を味わえる場所だとは思っていなかった。

「ふたりっきりって感じがするね」

「感じもなにも、ふたりきりだよ」

 テーブルに頬杖をついた篠が言う。

 いつも背筋をまっすぐ伸ばし、座る姿勢を崩さない篠がそんなふうにしているのは珍しかった。

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