エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 無意識に引き留めてしまった私の不安を感じ取ってくれたのだろう。

「……うん、大丈夫。ごめんね」

「必ず帰ってくる。避難指示には従うように」

「篠も気をつけて」

 そっと唇を重ねた後、篠は足早に部屋を出て行った。

 私ひとりになった部屋はやけに雨の音が大きく響いて、一気に心細さが襲ってくる。

 篠に大丈夫だと言ったくせに、彼がいなくなった瞬間、もう怖くなっているなんて。

 自衛官の夫を支える妻になるんじゃなかったのか。

 しっかりしなければ、と自分の頬を軽く叩く。

 ぱちん、という音は外の激しい雨音に紛れた。

「……無事でいてね」

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