エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
「待って」

 なぜだか嫌な予感を覚えて篠の服の裾を掴む。

 私は浴衣を着たのに、彼は持参したシャツとジャージだった。

たとえ新婚旅行だろうとなにが起きてもいいよう、備えていたのだと思う。

「あ……ごめん」

 急いでいるはずの彼を引き留めたのが申し訳なくて、ぱっと手を放した。

「実結」

 篠は硬い顔つきで私の手を握ると、安心させるように抱きしめてくれた。

「最初は実結を守れる男になりたかったからこの仕事についた。だけど今は、多くの人を守るために続けてるんだ」

 どうして篠が急にそんなことを言い出したのかわかる気がした。

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