エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 爪まで食い込ませているから、かなり痛い。きっと無事に救出されたあかつきには、痕が残るはずだ。

 ……私はどのくらいここで気を失っていたんだろう。今は朝? それとも夜?

 ずっと大きな音がしているように聞こえるけれど、これは本当に鳴っている音? ただの耳鳴り?

 私たち以外の人は無事に避難できたんだろうか。ゆうやくんのお母さんはきっと心配しているだろう。伝えられる術があったらいいのに。

「おねえちゃん?」

「……あ、ああ、ごめんね。ぼうっとしちゃった」

 篠に会いたい。

 私がいくら大丈夫と言ったところで、事態はなにも変わらないのだ。

< 332 / 376 >

この作品をシェア

pagetop