死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

新しい場所

 

「ほんじゃ、指定された掃除場所に行けー」

チャイムが鳴ったと同時に、先生が言った。

今日は月曜日。

掃除場所変更の日だった。
 
「はーい」
皆が一斉に言い、席を立ち、机を端っこに動かす。


「はぁー」
 

掃除かよ。だるー。とクラスの人は肩を落として机を動かしている。

「夏菜大丈夫ー?掃除、陽翔達とだもんねー。真剣にやってくれないよねー」

陽翔とは、国上のことだ。里花は机を端っこに動かすという作業が終わったのか、私の横に来てくれる。

「うん…。まあね。」

私はそう苦笑いをしながら、机を動かす。

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