死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
爽玖くんを見に行こうと思い通った階段の踊り場に辿り着くと、

1年生だと思われる3人が階段の踊り場の壁にもたれていた。

あ、女の子が3人の中に1人いる。話ができる…かも…


一気に私に視線が集まる。


私の顔はちゃんと髪型に合ってるだろうか。視線があったり、見られたりすると不意にこんなことを思ってしまう。


先輩の私が何か言わなきゃと思い、勇気を振り絞って小さく早く言葉を発する。


「…遅れてごめんね。もうすぐ他の2年生達も来ると思うから…!」


「はーい」

えっ?3人共めっちゃいい返事するやん…。えらいしすごい。

すると、後ろから声がした。


「来たぜぇー」


だるそうに声を上げたのは、浅倉亮平だ。


そして隣にはあくびをしている国上が立っていた。


「はぁーじゃ、掃除始めるかぁー」

え?国上…遊んだりしないんだ。
しかも仕切ってくれている。ちゃんとやるときはやるらしい。
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