悪魔と私

「…好きで覚えている訳ではない…。それよりお前、何故こんな所にいる?まさか…」

「そう。そのまさかさ。あの方に頼まれてな」


そう言うとガールはにやりと笑い、『あの方』と言う単語にはっとする俺の反応を楽しんでいるようだ。


「それじゃあ、『カリーンの花』を渡せって言っても渡す気はないって事か」

「そう言うことだな。…それよりも。お前、自分の状況分かってないだろ」


ガールはくくっと喉で笑うと担いでいるアイルの首元に、鋭い、悪魔独特の爪を当てた。


「…っ アイルっ!」


アイルはピクリとも動かないことから、意識を失っているのだろう。


「ふーん?何故そこまでコレに執着する?お前、変わったな」


…俺がこいつに執着する理由?

そう言えば、サンルドにも同じようなことを聞かれたな…。


最初は、悪魔の俺に付いて来るという、変わった娘だ、と思ってのことだった。

なぜ、敵討ちのために、俺なんかに付いて来るのかが分からなかった。

魂の契約までして…。

強いと思った。



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