悪魔と私


でも。


でも、それはやっぱり強がっているだけで。

やっぱりその背中は幼い少女のままで。


そんなアイルを、守ってやりたいと思った。


あいつはいつも笑顔でいるけど。

本当は、触れたら壊れてしまうほど繊細で、儚くて。


…弱くて。


いつも笑顔なのは、俺を心配させないため。

いつも笑顔なのは、弱さを見せないため。


全部、俺のためなんだ。


そんなアイルを見てるうちに、いつしか俺はあいつに心を許していた。

あの日以来、サンルド以外に心を閉ざした俺に、光を与えてくれたんだ。



ここまで執着するのは…。



あいつを、守るため。

あいつの笑顔を、守るため。


魂の契約なんかの為じゃない。


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