悪魔と私


崩れた壁から、光が差し込んでくる。


…なんでこんなあっけなく崩れちゃうわけ?

こんなもろい空間に、あんなにも恐怖を感じていたのか。



はあー…



ルーゼは長く息を吐くと、崩れた壁から脱出する。

一番最初に目に入ったのは、ニヤニヤと、いやらしく笑っているサンの顔。



しかも何故か、おこちゃまバージョン。



「何でまた子供なんですか?」

「えぇー?だってぇ、魔力戻ったし、何かなじめないしぃ…こっちのほうが可愛いから♪」



…なんでこうも変わってしまうのか。

僕的に、おにーさんバージョンのほうが好きなのに。

見れば、クロードも額に手を当て、ため息を吐いている。


もう、体のほうは大丈夫そうだ。



「…それで、何ですか?あれは…」

「あれはねぇ、クロードサマの体調が安定してなかったからだよー。でも良かったぁ。ちゃんと五体満足だし、人間の姿だし。
あと、慣れてないから、ってゆーのもあるねぇ…。
前のとき大丈夫だったのは、クロード様の実力だよぉ。
認めるのは癪だけど、凄いよねぇ」


認めたくないんだ…。




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