悪魔と私
「…2つ目の方法は…とても危険です…。
…たぶん、悪魔なら誰でも知っていると思いますが…『カリーンの花』を使った方法です。」
サンはクロードの目をじっと見つめる。
きっと、この方法はやめたほうが良い。と、目で訴えているに違いない。
だが、クロードはそれに気づく様子が無く(気づいていて無視をしているという可能性のほうが高いが)、無言でさっきから下を向いて考え事をしている様だ。
しばらく視線を送っていたサンだったが、微動だにしないクロードにため息を吐いてから、あきらめたように話し始めた。
「…わかりましたよ……カリーンの花は、ここの近くにある、『暗闇の地』と呼ばれる、深い谷底にしか咲かない花です。
そのカリーンの花には精霊が宿っていて、この花の蜜を飲めば、どんな願い事も叶えてくれます」
ただ、としかめっ面をして続けるサン。
「……この精霊の力を自分のためだけに、悪い事に使う奴らが出てきたため、花の守り人がつくられたのです。……そして、その守り人と言うのが…魔王側の悪魔なのです」
「魔王側の悪魔……それってクロが前に話してくれた、私のおじいちゃんを殺した…?」