イケメン総長とキケンな関係 ~出会いは突然の入れ替わり⁉ 愛はそこから始まった~



「着いた」


 龍輝くんに感謝の気持ちでいっぱいになっていると。
 いつの間にか龍輝くんの家の前に着いていた。



 龍輝くんの「入ろう」という言葉に。
「うん」と返事をする。

 そのあと龍輝くんが玄関のドアを開けた。


 そして。
 二階に上がり。
 龍輝くんが龍輝くんの部屋のドアを開けた。


「わりぃ、待たせたな」


 ドアを開けた瞬間。
 龍輝くんが声をかけた。
 龍輝くんの部屋にいる桐生くんと諏藤(すどう)くんと平岡くんに。


「おかえり、龍輝。
 ……って……。
 その子、誰?
 龍輝の友達?
 ……大人しい感じなのに……元気がいいんだな、話し方……」


 選んでいる。
 確実に。
 言葉を。

 桐生くん。
 本当は。
『大人しい感じの女の子が
 やんちゃな言葉を使っている』
 とでも言おうとしていた。
 そのような感じがする。





 大人しい感じの女の子。
 それは私のこと。



 だけど。
 今、私は私ではない。


 姿は私でも心は龍輝くん。

 だから。
 私の姿が発した言葉。
 それは龍輝くんが発した言葉。
 そういうことになる。


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