夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
ふと、家族のことを思い出す。
(お父様たち……。どうしているのかしら)
シャーリーは、書類上はランスロットと結婚したことになっているため、ハーデン家の屋敷で暮らしているが、父親や弟たちはコルビー家の屋敷で暮らしているはずだ。
そしてシャーリーが結婚式の最中に倒れたというのであれば、もちろん彼らもその場にいただろう。
となれば彼らだってシャーリーのことを心配しているにちがいない。だが彼女は、家族に何も連絡をしていなかった。
(お父様たちも、心配しているわよね……)
手紙を書くべきか、会いに行くべきか。
シャーリーはそんなことを考えていた。机の上に開かれた本は、先ほどから同じページが開かれたままだ。
「奥様、旦那様がお帰りになりました」
遠慮がちに扉を叩かれた後、扉越しにイルメラの声が聞こえてきた。
「ありがとう」
シャーリーは立ち上がり、ランスロットの執務室へと向かう。
彼はその部屋で寝ているのだ。シャーリーは、この部屋に入った記憶がなかった。
トントントンと扉を叩くと、中から「どうぞ」と聞こえてきた。間違いなくランスロットの声である。
その声が聞こえたことに、なぜかシャーリーは安堵する。
(お父様たち……。どうしているのかしら)
シャーリーは、書類上はランスロットと結婚したことになっているため、ハーデン家の屋敷で暮らしているが、父親や弟たちはコルビー家の屋敷で暮らしているはずだ。
そしてシャーリーが結婚式の最中に倒れたというのであれば、もちろん彼らもその場にいただろう。
となれば彼らだってシャーリーのことを心配しているにちがいない。だが彼女は、家族に何も連絡をしていなかった。
(お父様たちも、心配しているわよね……)
手紙を書くべきか、会いに行くべきか。
シャーリーはそんなことを考えていた。机の上に開かれた本は、先ほどから同じページが開かれたままだ。
「奥様、旦那様がお帰りになりました」
遠慮がちに扉を叩かれた後、扉越しにイルメラの声が聞こえてきた。
「ありがとう」
シャーリーは立ち上がり、ランスロットの執務室へと向かう。
彼はその部屋で寝ているのだ。シャーリーは、この部屋に入った記憶がなかった。
トントントンと扉を叩くと、中から「どうぞ」と聞こえてきた。間違いなくランスロットの声である。
その声が聞こえたことに、なぜかシャーリーは安堵する。