夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
シャーリーにとって、彼女の三つ年上のアンナは姉のような存在であると聞いていた。シャーリーに事務官の仕事をすすめたのも彼女だ。もちろん、二人の結婚式にも足を運んでくれた。つまり、シャーリーが階段から落ちていくあの場にいたのだ。
「だが、記憶を失っている」
「え?」
「医師がいうには、どうやらここ二年ほどの記憶を失っているようなんだ」
「二年分」
アンナが右手で口元を押さえた。目も細め、何かしらじっと考え込んでいる様子。
「となると、彼女が団長と会う前?」
ああ、とランスロットは大きく頷いた。
「そうだ。彼女の男性恐怖症が一番酷い時期だな」
口にしながら、ランスロットは苦笑した。何しろ、夫であるランスロットでさえ、シャーリーに触れるどころか近づくことさえできないのだ。
「てことは、団長も?」
「ああ、六歩離れる必要がある」
それを聞いたアンナはさらに考え込んでいる。
「そこで、相談なのだが」
ピクリとアンナの目尻が反応した。
「だが、記憶を失っている」
「え?」
「医師がいうには、どうやらここ二年ほどの記憶を失っているようなんだ」
「二年分」
アンナが右手で口元を押さえた。目も細め、何かしらじっと考え込んでいる様子。
「となると、彼女が団長と会う前?」
ああ、とランスロットは大きく頷いた。
「そうだ。彼女の男性恐怖症が一番酷い時期だな」
口にしながら、ランスロットは苦笑した。何しろ、夫であるランスロットでさえ、シャーリーに触れるどころか近づくことさえできないのだ。
「てことは、団長も?」
「ああ、六歩離れる必要がある」
それを聞いたアンナはさらに考え込んでいる。
「そこで、相談なのだが」
ピクリとアンナの目尻が反応した。