無茶は承知で、今夜あなたに突撃します
話し込んでいるうちに定時になり、帰り支度をしてビルを出た。
結局志賀さんは事務所に戻ってはこなかった。今日は直帰すると連絡が入ったらしい。
四方さんと素敵なレストランで食事して帰るのかもしれないと、根拠のない妄想が頭をかすめ、自分の胸を締め付ける。
だけど迷いは禁物だ。きちんと自分の気持ちは伝えると決めたのだから。
たとえ志賀さんが四方さんと付き合おうとしているのだとしても、私を不気味に思っているのだとしても、関係ない。
しっかりしろと自分に言い聞かせながら駅のほうへ歩いていたのに、私の決心を揺るがす光景が目に入ってきた。
志賀さんと四方さんが歩道の脇に立っていて、笑いあってなにか話している。
とても親しそうだ。まるで恋人同士みたいに。
ふたりのそばを通り抜けなければ駅には行けない。
回り道をすることもできるけれど、私が逃げ回る必要はないと、その考えを打ち消した。
今から怯んでどうする。もう迷わないと決めたばかりなのに。
「お、お疲れ様です!!」
ふたりの元へ足早に近付いていき、はっきりとした声量であいさつすると、驚いた顔をした志賀さんと目が合った。
だけどそのあとに続ける言葉が見つからない。
「お仕事は終わりで、このあとはデートですか?」と聞くのは嫌味っぽいし、それを確認したくない自分がいる。
「神野さんもお疲れ」
「あの! 志賀さんにお話があります。もちろん今日じゃなくていいです。また別の日にお時間をください」
私にしては上出来だ。とりあえず、話したいという意思だけは伝えられた。
とにかく予告は出来たわけだから、あとは金曜日にもう一度声をかけようと、咄嗟に頭の中でスケジュールを立ててみる。
「俺も神野さんに話がある」
志賀さんの真剣な瞳が強く私を射貫いていて、意表を突かれた私は「へ?」と間抜けな声が出た。
結局志賀さんは事務所に戻ってはこなかった。今日は直帰すると連絡が入ったらしい。
四方さんと素敵なレストランで食事して帰るのかもしれないと、根拠のない妄想が頭をかすめ、自分の胸を締め付ける。
だけど迷いは禁物だ。きちんと自分の気持ちは伝えると決めたのだから。
たとえ志賀さんが四方さんと付き合おうとしているのだとしても、私を不気味に思っているのだとしても、関係ない。
しっかりしろと自分に言い聞かせながら駅のほうへ歩いていたのに、私の決心を揺るがす光景が目に入ってきた。
志賀さんと四方さんが歩道の脇に立っていて、笑いあってなにか話している。
とても親しそうだ。まるで恋人同士みたいに。
ふたりのそばを通り抜けなければ駅には行けない。
回り道をすることもできるけれど、私が逃げ回る必要はないと、その考えを打ち消した。
今から怯んでどうする。もう迷わないと決めたばかりなのに。
「お、お疲れ様です!!」
ふたりの元へ足早に近付いていき、はっきりとした声量であいさつすると、驚いた顔をした志賀さんと目が合った。
だけどそのあとに続ける言葉が見つからない。
「お仕事は終わりで、このあとはデートですか?」と聞くのは嫌味っぽいし、それを確認したくない自分がいる。
「神野さんもお疲れ」
「あの! 志賀さんにお話があります。もちろん今日じゃなくていいです。また別の日にお時間をください」
私にしては上出来だ。とりあえず、話したいという意思だけは伝えられた。
とにかく予告は出来たわけだから、あとは金曜日にもう一度声をかけようと、咄嗟に頭の中でスケジュールを立ててみる。
「俺も神野さんに話がある」
志賀さんの真剣な瞳が強く私を射貫いていて、意表を突かれた私は「へ?」と間抜けな声が出た。