ふられたラブレター
第五章
○颯真の部屋 夜
颯真はこの前和真が言った
“さくらってすげーよな。あんな人が大勢いる中でお前に告ったんだから”
と言う言葉を思い出していた。
そして机の上にある、さくらから貰った手紙を開けようか開けまいか葛藤しつつも、最終的に封を開けた。
颯真くんへ
突然の手紙で驚かせてしまいごめんなさい。
私は星女学院2年の西谷さくらと言います。
一年前、地下鉄で困っているところを颯真くんに助けてもらい、それからずっと颯真くんのことが好きでした。
手紙はその後も続いているが、颯真は冒頭で気になる部分を見つける。
颯真「えっ、これって······」
コンコン
ちょうどその時部屋のドアがノックされた。
ガチャ
和真「颯真聞いてくれ!日曜さくらとデートすることになった。やっと連絡先も交換出来たしマジで嬉しい!」
颯真「そっか···良かったな。当日はくれぐれもバレないように気をつけて。」
和真「おう、任せとけって!あれ?颯真、さくらの手紙読んでくれたのか?」
机の上に開かれた、さくらからの手紙を見た和真が颯真に聞いた。
颯真「うん、読んだ。···手紙に一年前地下鉄で困っているところを俺に助けられたって書いてあるんだけど、最初に気付いて助けようとしたのって、和真だったよね?」
和真「······そうだよ。」
「ホントは俺がさくらを助けたかった······けど俺見た目こんなだし、相手俺と同じ学校の奴らだしさくらを怖がらせたくなかった。だから颯真に頼んだんだ。」
颯真「そのことさくらちゃんに正直に言えば、さくらちゃんだってきっと···」
和真「いいんだ!」
颯真の話を途中で遮る和真。
和真「あの場でさくらを助けたのは颯真で、それでさくらが颯真を好きになって、手紙を書いて渡してきたのが事実だから。···俺、部屋戻るわ。」
バタン
颯真はその場で深いため息をついた。
部屋に戻った和真はやり場のない感情に苛立っていた。
和真「クソっ!俺だって助けたかったよ。手紙貰いてぇよ。···俺のこと好きになれよ。」
時間とともに少しずつ冷静になっていく和真。
「んなこと言ったって今さらどうしようもねー。俺は俺の出来ることをやる。まずは日曜さくらをめちゃくちゃ楽しませる!!」
○駅の前 日曜日
さくら(もうすぐ待ち合わせの時間だけど、髪型とか服装大丈夫かな?)
颯真(和真)が来るのをソワソワしながら待つさくら。
さくら(デートって言ったらはなと雅生さんすごく驚いてたなぁ(苦笑)今までずっと恋愛とは無縁だったもんね。)
(そう言えば颯真くん、手紙読んでくれたかな?一回ふられてるけどもう一度颯真くんとちゃんと向き合って、そして···付き合うことも真剣に考えたい。)
あれこれ考えてる内に颯真(和真)がさくらのもとに走ってきた。
颯真(和真)「ごめん、待った?」
さくら「ううん。大丈夫だよ。」
颯真(和真)「···今日のさくらも可愛いな。」
オシャレをしたさくらを見て、照れたように颯真(和真)が言った。
さくら「ありがとう。颯真くんもかっこいいよ!」
真っ赤になりながら答えるさくらを見て颯真(和真)は
(かわい過ぎ)と心の中で呟いた。
颯真(和真)「じゃあ行こっか。場所は着いてからのお楽しみで。」
さくら「はーい!」
(どこに行くのかわくわくしてきた。)
二人は手を繋ぎ、電車で目的地に向かった。
○動物園
颯真(和真)「さくら、着いたよ。」
さくら「わぁー動物園だ!」
颯真(和真)「さくら動物好きそうだと思ったから、動物園にしたんだ。」
さくら「うん、大好き!」
颯真(和真)(うっ、俺のことじゃねって。)
満面の笑みで大好きと言ったさくらに赤面した颯真(和真)は、片手で顔を覆った。
さくら「あっ、あっちにゾウの親子がいる!」
颯真(和真)「ホントだ。見に行こっか。」
二人はゾウやキリン、パンダなど動物を見ながら楽しく過ごした。
颯真(和真)「たくさん見て回ったから腹減ったな〜。そろそろ昼飯にするか。」
さくら「うん、そうだね。」
二人は園内の出店でハンバーガーセットをテイクアウトして、近くのテーブルに腰掛けた。
そして昼食を食べながら談笑した。
颯真(和真)「それにしても動物園なんて久しぶりだな〜。子どもの頃に来た以来だわ。」
さくら「私もそうかも。小学生の頃両親と妹と来て、妹とおそろいのウサギのぬいぐるみ買って貰ったんだよね。懐かしいなぁ。」
颯真(和真)「さくら妹いるんだ?」
さくら「うん。今中三なんだけど、私よりしっかりしていてどっちがお姉ちゃんかわかんない位(笑)」
颯真(和真)「アハハ。確かにさくらは妹キャラかも。俺は弟がいてさ、顔はそっくりなんだけど向こうはめちゃくちゃ頭良くて俺と正反対(苦笑)」
さくら「そうなんだ、颯真くんは弟がいるんだね。でも颯真くんも白北学院だから頭良いよね。」
(きっと謙そんしてるのかな)
颯真(和真)(やべ、間違った。俺今颯真(に変装中)だった。弟で頭良いって···まんま颯真のこと話しちまった。)
和真→双子の兄
颯真→双子の弟
「まぁ、弟には到底及ばないけどな。」
(ホントの俺の姿知ったら、さくら俺のこと嫌いになるかもな···。)
○颯真の家
その頃、颯真の家の前には一人の来客がいた。
ピンポーン
ガチャ
颯真「有······」
そこには和真と颯真の幼馴染、有がいた。
颯真はこの前和真が言った
“さくらってすげーよな。あんな人が大勢いる中でお前に告ったんだから”
と言う言葉を思い出していた。
そして机の上にある、さくらから貰った手紙を開けようか開けまいか葛藤しつつも、最終的に封を開けた。
颯真くんへ
突然の手紙で驚かせてしまいごめんなさい。
私は星女学院2年の西谷さくらと言います。
一年前、地下鉄で困っているところを颯真くんに助けてもらい、それからずっと颯真くんのことが好きでした。
手紙はその後も続いているが、颯真は冒頭で気になる部分を見つける。
颯真「えっ、これって······」
コンコン
ちょうどその時部屋のドアがノックされた。
ガチャ
和真「颯真聞いてくれ!日曜さくらとデートすることになった。やっと連絡先も交換出来たしマジで嬉しい!」
颯真「そっか···良かったな。当日はくれぐれもバレないように気をつけて。」
和真「おう、任せとけって!あれ?颯真、さくらの手紙読んでくれたのか?」
机の上に開かれた、さくらからの手紙を見た和真が颯真に聞いた。
颯真「うん、読んだ。···手紙に一年前地下鉄で困っているところを俺に助けられたって書いてあるんだけど、最初に気付いて助けようとしたのって、和真だったよね?」
和真「······そうだよ。」
「ホントは俺がさくらを助けたかった······けど俺見た目こんなだし、相手俺と同じ学校の奴らだしさくらを怖がらせたくなかった。だから颯真に頼んだんだ。」
颯真「そのことさくらちゃんに正直に言えば、さくらちゃんだってきっと···」
和真「いいんだ!」
颯真の話を途中で遮る和真。
和真「あの場でさくらを助けたのは颯真で、それでさくらが颯真を好きになって、手紙を書いて渡してきたのが事実だから。···俺、部屋戻るわ。」
バタン
颯真はその場で深いため息をついた。
部屋に戻った和真はやり場のない感情に苛立っていた。
和真「クソっ!俺だって助けたかったよ。手紙貰いてぇよ。···俺のこと好きになれよ。」
時間とともに少しずつ冷静になっていく和真。
「んなこと言ったって今さらどうしようもねー。俺は俺の出来ることをやる。まずは日曜さくらをめちゃくちゃ楽しませる!!」
○駅の前 日曜日
さくら(もうすぐ待ち合わせの時間だけど、髪型とか服装大丈夫かな?)
颯真(和真)が来るのをソワソワしながら待つさくら。
さくら(デートって言ったらはなと雅生さんすごく驚いてたなぁ(苦笑)今までずっと恋愛とは無縁だったもんね。)
(そう言えば颯真くん、手紙読んでくれたかな?一回ふられてるけどもう一度颯真くんとちゃんと向き合って、そして···付き合うことも真剣に考えたい。)
あれこれ考えてる内に颯真(和真)がさくらのもとに走ってきた。
颯真(和真)「ごめん、待った?」
さくら「ううん。大丈夫だよ。」
颯真(和真)「···今日のさくらも可愛いな。」
オシャレをしたさくらを見て、照れたように颯真(和真)が言った。
さくら「ありがとう。颯真くんもかっこいいよ!」
真っ赤になりながら答えるさくらを見て颯真(和真)は
(かわい過ぎ)と心の中で呟いた。
颯真(和真)「じゃあ行こっか。場所は着いてからのお楽しみで。」
さくら「はーい!」
(どこに行くのかわくわくしてきた。)
二人は手を繋ぎ、電車で目的地に向かった。
○動物園
颯真(和真)「さくら、着いたよ。」
さくら「わぁー動物園だ!」
颯真(和真)「さくら動物好きそうだと思ったから、動物園にしたんだ。」
さくら「うん、大好き!」
颯真(和真)(うっ、俺のことじゃねって。)
満面の笑みで大好きと言ったさくらに赤面した颯真(和真)は、片手で顔を覆った。
さくら「あっ、あっちにゾウの親子がいる!」
颯真(和真)「ホントだ。見に行こっか。」
二人はゾウやキリン、パンダなど動物を見ながら楽しく過ごした。
颯真(和真)「たくさん見て回ったから腹減ったな〜。そろそろ昼飯にするか。」
さくら「うん、そうだね。」
二人は園内の出店でハンバーガーセットをテイクアウトして、近くのテーブルに腰掛けた。
そして昼食を食べながら談笑した。
颯真(和真)「それにしても動物園なんて久しぶりだな〜。子どもの頃に来た以来だわ。」
さくら「私もそうかも。小学生の頃両親と妹と来て、妹とおそろいのウサギのぬいぐるみ買って貰ったんだよね。懐かしいなぁ。」
颯真(和真)「さくら妹いるんだ?」
さくら「うん。今中三なんだけど、私よりしっかりしていてどっちがお姉ちゃんかわかんない位(笑)」
颯真(和真)「アハハ。確かにさくらは妹キャラかも。俺は弟がいてさ、顔はそっくりなんだけど向こうはめちゃくちゃ頭良くて俺と正反対(苦笑)」
さくら「そうなんだ、颯真くんは弟がいるんだね。でも颯真くんも白北学院だから頭良いよね。」
(きっと謙そんしてるのかな)
颯真(和真)(やべ、間違った。俺今颯真(に変装中)だった。弟で頭良いって···まんま颯真のこと話しちまった。)
和真→双子の兄
颯真→双子の弟
「まぁ、弟には到底及ばないけどな。」
(ホントの俺の姿知ったら、さくら俺のこと嫌いになるかもな···。)
○颯真の家
その頃、颯真の家の前には一人の来客がいた。
ピンポーン
ガチャ
颯真「有······」
そこには和真と颯真の幼馴染、有がいた。