愛しているから 好きにしろ
そうだよ、久しぶりに見たけど、かっこよくなった。
私といないときにかっこよくなるって何だろう?ちょっと胸が痛い。
放課後、今日は晴人との時間を作るつもりで最初からバイトのシフトを外してある。
なんか、久しぶりすぎてちょっと他人みたいになっちゃった。
私が黙っていると、手をそっと握られた。
顔を上げたら日に焼けた晴人の顔が見える。
「どうしようか?マンション連れて行くとやばいから、どこかで食事でもしながら話そうかな。」
「うん。いいよ。」
「あそこの居酒屋。少し綺麗なとこ。二階に個室あるよな。この時間ならまだ空いてるだろうからいい?」
そういうと、まだ五時半だったので、開店してすぐだったせいか、すんなり二階の個室へ通された。
「奈由、元気だったか?」
「うん。あのとき熱出てからは元気。」
「そうか。」
なんか、晴人らしくない。
「何かあった?」
びっくりしたようにこちらを見る晴人。
やっぱりね。なんかあったんだ。
「もしかして、女性関係?」
「……奈由。それって……。」
「怒ってない。あのね、なんか隠してるよね。分かるよ。」