囚われのシンデレラーafter storyー
「もう、無理、おかしくなる――」
「まだ終わらないよ。全然、足りない」
ベッドに二人横たわると、西園寺さんが私の腕に慈しむようにキスをした。
「この腕があの音を出すんだな」
後ろから挿入され、腰を打ちつけられる。
止まない快感が怖くて、無意識のうちに身体を強張らせた。
「いいよ。何も我慢しなくていい」
その腕はまだ私を解放しない。
もう何度目だろう。何回、果てたか分からない。
「――あずさの、乱れる姿を見たい」
そう言って、仰向けに寝ている西園寺さんの上に跨るように指示された。
「こんな、恥ずかしいです……っ」
「だめだ。今日のあずさに、拒否権はない」
腰を強く掴まれる。
初めての体勢に、もうこれ以上無理だと思っていた身体はまた快感を貪ろうとする。
支えを求めるように、西園寺さんの腰に手を付く。じわじわと伝わる快感に、自然に自分の腰が動くけれどうまくできない。
もっと、もっと――。
そう思うのに恥じらいが邪魔する。そんな私に気付いたように、西園寺さんの手が私の腰を揺らした。
「あ……っ」
アップにしていたはずの髪は、もう乱れに乱れて。おくれ毛を振り乱すように身体を揺らしてしまう。恥じらいは薄れ、深い快感に溺れて行く。
もう、最後の方は、自分がどうなっていたのか分からない。我を忘れて繋がっていた。
きつく抱きしめられ、キスをされて。身体中を甘く溶かされて。西園寺さんの甘い余韻が身体を覆い尽していた。
「――あずさ」
その声に、意識を取り戻す。
「……ん」
重くてたまらない瞼を開けると、すぐそこに西園寺さんの顔があった。
「あっ……」
「おはよう、あずさ」
クリアになっていく視界で、慌てて上半身を起こした。
「――今、何時ですか?」
「いいよ。まだ、ゆっくりしていろ。俺は、仕事に行って来る」
部屋の明るさと、つい数時間前までこのベッドで行われていたことなんてまるで夢だったかのような西園寺さんの隙なく着こなされたスーツ姿に、今が朝なのだと気付く。
「出勤の時間ですか?」
「ああ」
「起きられずに、ごめんなさい」
朝食の準備もしていない――。
ベッドに腰掛けていた西園寺さんが、私の髪を撫でた。
「無理もない。寝かせなかったのは俺だから」
少し甘くなった声が、昨夜の情事を蘇らせる。
「お仕置き、し過ぎたかな」
「い、いえ……」
消え入るような声になってしまう。
結局また、気持ちよさで我を忘れていたのだ。お仕置きがお仕置きでなくなっていた。