竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
『でも僕、あの人がママはいやだよ』
「じゃあ、他の女性でもいいから、一度神様と選び直してみたら?」
『ママは良い匂いがするし、ここがいい……』
「私の中から出ていくことはできないの?」
『しらない! ぼく、わかんない!』
卵くんは最後に叫ぶように言い捨てると、そのまま何を話しかけても応えてくれなくなった。う〜ん。あれは完璧に知ってる態度よね。きっと出ていくことは可能なんだろうな。
「明日も来るからな」と言った竜王様も、その夜は来なかった。その代わりお菓子が届けられ、「明日の竜人競技会の準備で騒がしいから、お見舞いは止める」というメッセージが伝えられた。
外を見ると、たしかにこの部屋からもわかるくらい、あちこちに人がいて準備に忙しそうだ。万が一私の部屋に黒い竜が入ってくるのを見られたら、噂を否定した意味がないもんね。