竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


「そうだったんだ。助けてくれてありがとう」
『へへ。じゃあ、俺と結婚する?』
「な、何を言ってるの! この子ったら変なこと言っちゃって! アハハ……」


 竜からのプロポーズとはいえ、なんだか皆の前で言われるのは気恥ずかしい。私はごまかすように、から笑いをしながら振り返ると、竜王様たちは信じられないものを見る目で私を見ていた。


(え? そんなに変だったのかな? ドン引きしてない……?)


 三人はお互いの顔を見合わせ、怪訝そうな顔をしている。ふと気づくと、後ろにいる騎士さんたちも、奇妙なものを見る目で私を見ているじゃないか! すると私が返事を茶化したからか、さっきの竜が私の服の裾を爪で引っ張った。

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