竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

『ねえねえ、じゃあ恋人からってのはどう?』
「や、やだ〜! もう、本当に何を言って……」


 ヤバい。本当にみんなの視線が痛い。なぜか誰も話しかけてくれないし、私と竜の会話にも入ってこようとしない。そろそろ竜王様かリディアさんが、話しかけてくれてもいいのに。


 そんな気まずい雰囲気を背中でひしひしと感じていると、竜王様の両手が私の肩をガシっとつかんだ。そのままクルッと体を回転させられ、向い合せになる。


 竜王様の顔はものすごく真剣だ。私は思わずゴクリと喉を鳴らして、次の言葉を待った。


(な、何が起こるの? 私何か変なことした?)


 すると竜王様の口から、予想もしていなかった質問が飛び出した。


「リコ、おまえ、さっきから誰と話してるんだ?」
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