竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


「ああ、それと、そこの放心状態のリコに部屋を与えてやれ。あとリディアを付けろ」
「リディアですか。……かしこまりました」


 そこからのことは、あまり覚えていない。私は女性達から身を隠すように騎士に囲まれ部屋を出た。そして気づけばどこかの部屋に入れられ、ベッドの上にぽいっと乗せられた。


「今日は疲れたでしょう。とにかく眠るといいですよ。詳しいことはまた明日から話しましょう」


 シリルさんの言葉をきっかけに、私はあっという間に眠りについた。いつ眠ったのかすらわからない。きっと気絶だ。気づけば次の日のお昼になっていて、私は起きるとまた混乱して叫び声をあげた。


「こ、ここ、どこ?」
「キリル王国の王宮ですよ、迷い人様」
「えっ! ど、どなたですか?」

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