竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


 両手で顔を覆っても、勝手に涙がこぼれ落ちていく。つうっと目尻から首すじに向かって、生ぬるい滴がつたっていき、シーツを濡らしていった。その時だった。


『わああああ! ママ! ママ! どうしたの?』
「えっ! た、卵くん?』


 いきなりの卵くんの大声に、ベッドから勢いよく起き上がる。


『ママ! 無事だったの? さっき何があったの?』
「さっき? もしかして、最後に叫んだ時から記憶がないの?」
『……うん。あんまりにもビックリして、眠っちゃったみたい。今おきたの』
「そ、そっかぁ……。良かったぁ〜」
『よくな〜い! なにがおこったの?』

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