竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

 てっきり卵くんや神様にあきれられ、出ていかれたと考えていたので、彼がずっとお腹にいたことに喜びが隠しきれない。それでも卵くんにしてみれば、パニックになったところで記憶が途切れているので、私が何を喜んでいるのかわからず、プリプリ怒っている。


「ごめんごめん! とりあえず私は無事だよ。怪我もない」


 切り傷はあったけど、キールくんたちが舐めてくれたおかげか、もうすっかり治っていた。なので心配させないように、黙っておこう。それでも何があったか知りたがっている卵くんに、どこまで言うか迷うところだ。


(私が狙われたとか言ったら、きっとパニックになっちゃうよね。犯人がいることは、ぼかして伝えよう!)


 私はギーク兄妹の名前は出さずに、ざっくりと今日あったことを卵くんに話した。

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