婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される
生まれ変わり? 突然なんだろう? 確かにこの国では死んだ後はまた生まれ変わると言われてるけど、私の魂を呼び戻すことと何か関係あるのだろうか?


 ほんの少し魔術が関係する話題になるだけで、気が紛れて心が落ち着いてくる。それを知っているエドワード様はニコリと笑い、近くの本棚から古い一冊の本と羊皮紙を持ってきて魔石の横に置いた。


「実は師匠にこの魔石を見てもらった時、魔石に魔力だけじゃない何かが入っていると言われたんだ。その時に君が死んだ後、光が出たか聞かれて光っていないと答えた」


 たしか魔力持ちが死ぬ時は、体が一瞬光ってその後もほんのり光り続けると習った。それなのに私は死んだ後、光っていなかったということ?


「この文献によると光る理由は魔力と魂が切り離されるか、魔力と肉体が切り離されるかのどちらかだと言われていた」


 エドワード様はさっき持ってきた古い本をパラパラとめくり、説明していく。


「それで僕と師匠が出した結論は、君の魂まで魔石に入ってしまったのではないか? ということだった」


 そこからエドワード様の怒涛の魔術談義に入ってしまったが、まとめるとこうだ。


 
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