婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される
だってエドワード様が私を婚約者にと願ったのだし、私は彼の特別だと思っていたから。それに私にとっても2人きりで魔術の勉強をする時間は、宝物のように大切だった。


 でもそれは大きな勘違いだったみたい。


 私がこの場に来た時に2人はすでに優雅にお茶をしていて、テーブルには色とりどりの美しいケーキが並んでいた。私の大好きな苺がいっぱい使われていて、なんだか切ない。


 仲直りのために作った私のクッキーなんて出せそうにもないわね。まあ今更出す気もないけど。持ってきたバスケットをチラリと見て、意を決してエドワード様に質問をする。


「それはどういうことでしょうか?」


 私がそう言うとエドワード様はため息をついた後、私の目をじっと見て話を続けた。


「サラ、僕はソフィア王女に会って気づいたんだ。王女はサラと同じ年なのにマナーも外国語も完璧だ。それなのにサラはどうだ? 妃教育よりも魔術の勉強を優先して、進んでないだろう? しかも魔術が上手にできないと、癇癪を起こすこともよくある。この前だってそうだ。そして僕が呼ぶまでは謝ることすらしないじゃないか」


 エドワード様は一気に話し終えると、今度はにっこりと微笑んで隣に座るソフィア様の手を取る。


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