イケメンエリート、最後の独身


 それとは裏腹に、ホヨンがたまに出社する日、萌絵は密かに嬉しかった。でも、ホヨンは相変わらず冷たい反応だ。
 ホヨンと接する機会が少ないため、何も話さずに終わる日が多かった。

 そんな中、EOCに入って一か月が経った頃、社長のソフィアとリモートで面談があった。ソフィア不在の社長室で、モニターを使ってソフィアと面談をした。

「萌絵、仕事の調子はどう? 楽しくやってる?」

 ソフィアは変わらず優しく萌絵にそう問いかける。
 楽しくやってる?
 その問かけに素直に頷けない自分がいた。
 EOCに入れた事は本当に幸運だったと思う。でも、何かが違うと心のどこかでもがいている自分がいた。
 萌絵はソフィアの優しい瞳が素直になる事を許してくれていると、勝手にそう解釈した。

「ここの職場は全てにおいて完璧です。
 自由な社風がとても居心地がよくて、色々と教えてくれるスタッフの皆さんも親切な方ばかりで、楽しくお仕事をさせてもらってます」

 萌絵はそう言った後に、少し俯いてしまう。


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