イケメンエリート、最後の独身
「でも、その表情は他にも何か感じてるという顔ね?」
ソフィアの一言で、萌絵の目から涙が溢れ出る。その涙は心の奥底で感じている違和感と喪失感の現れだった。
「社長… すみません…
まだ働いて一か月が過ぎた頃なのに、こんな事を言っていいのか悩んでいます」
「どんな事? 何でも言っていいのよ。
そのためのこの機会なんだから」
萌絵は小さく深呼吸をした。そして、背筋を伸ばし真っすぐにソフィアを見る。
「私は何年も困った人の手助けをする仕事をしてきました。
一般的にとても大変な仕事と思われがちですが、私はやりがいを感じ有意義な時間を過ごしてきました。
今回、その仕事に見切りをつけて、この会社に飛び込んだつもりだったのですが…」
萌絵は潤んだ目に映るソフィアの笑顔に励まされ、その先の言葉を紡ぐ事ができた。