イケメンエリート、最後の独身


 そして、それに続いてホヨンが拍手をする。
 ホヨンの優しい微笑みを初めて見た気がした。ホヨンは萌絵のそういうチャレンジ精神を分かっていたみたいに、ドヤ顔で頷いている。
 そして、そういう穏やかな空気が流れているのに、萌絵は謙人の方を見る事ができなかった。
 謙人は身動き一つ取らずに、どこか一点をジッと見つめている。

「で、いつからドイツの方へ行くの?」

 トオルの質問に明智さんがすばやく答える。

「それが急なんだけど、二週間後に決まりました。
 その頃、ソフィアもドイツに行く用事があるから、住まいや手続きをソフィア自身が一緒に済ませるらしい」

「え、そんな急なんだ…
 この間、歓迎会をしたばかりなのに」

 トオルの言葉に、皆が静かになる。

「ソフィアは一日でも早く、萌絵と一緒に働きたいらしい。
 EOCが中心となった財団で簡易的な病院を建設していて、たくさんの子供達が萌絵みたいな優しい看護師さんを必要している。
で も、萌絵はボランティアの人じゃない。EOCの人間として誇りを持って働いてほしいと思っている」


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