イケメンエリート、最後の独身


「私、向いてないかもしれないです。
 初日でこんな事言うのは良くないと思うんですが、でも、何だか…」

 萌絵の頭にホヨンの顔が浮かんでくる。ホヨンに呆れられた事が本当にショックだった。それにしても、何でこんなに落ち込んでいるんだろう。

「仕事はもちろん、生活においても全てが初めての事ばかりで…
 慣れるまで少し時間がかかるかもしれません」

 あまり言い訳はしたくなかった。親切な謙人にこれ以上心配をかけたくない。
 隣に座る謙人は、萌絵の事を目を細めて見ている。萌絵はそんな謙人の熱い視線に何だか体が固まってしまう。

「ホヨン君は親切に教えてくれてる?
 前に、萌絵ちゃんみたいにアルバイトで入ってきた女の子がいて、その時の教育係はジャスティンっていう、明るくて穏やかないい奴だったんだけど…
 ホヨン君はどんな感じなのかな?なんて思ってる」

「あ、いい人です…
 何も問題はありません。問題があるとしたら、私のメンタルなんだと思うんです。ホヨンさんは丁寧に教えてくれてます」

 ホヨンの事が怖くてたまらないのに、何故かホヨンをかばってしまう自分がいる。
 萌絵は謙人の熱い視線から逃れるように、バッグに入っている時刻表を取り出した。


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