跡取りドクターの長い恋煩い
 笑美里が眠っていた後をそっと撫でてみると、まだ絵美里の温もりが残っていた。
起き上がって上布団をめくると、小さなシミに気づく。

「へ?」

 ……これは、なんだ?

 明らかに血痕のように思われる点が2つ。
 笑美里が寝ていた場所?

 俺は混乱した。
 昨日はいいところで笑美里が寝てしまった。
だから未遂に終わったはずだったのだ。

 え?
 俺、記憶違いか?
 最後までやった?

 ???

 その血痕の意味が全くわからなかった。

 しかし、俺は昂った自身を放出することなく眠りについてしまった。ひょっとしたら寝ている間、無意識に想いを遂げてしまったのかもしれない。

 キョロキョロと天井を見渡してみるが、どこにもカメラはない。

 ……はぁ、早戻しして見ることも出来ないのか。残念だ。
 おっと……それは犯罪か?
< 40 / 179 >

この作品をシェア

pagetop