心霊現象 研究同好会
そして諏訪は、スマホのライトであちこちを照らしながら歩いている。
手を繋いでくれる気配すらなかったから、こっちはもう最初から諦めた。
薄情な奴め……。
「思ってたより暗いですね」
「うん。 水が溜まってるところもあるから気をつけて進もう」
「はい」
……駆け足で行って帰ってきた蒼葉たちとは違い、俺たちはかなりゆっくり歩いてる。
早く戻りたいのに……。
「先輩ー……ダッシュで行きましょうよー……」
「走ったら追いかけてくるからダメだよ」
「うっ……なんでそんな怖いこと言うんですか……」
「事実を述べたまでだから。 現にさっき倉本たちの後ろを──」
「あぁそれ以上は言わないでっ!! わかりましたからっ!! このスピードでいいですから行きましょうっ!!」
「──……ふふっ、うん。 このまま行こう」
普通の顔でサラッと怖いことを言う神代先輩。
ぜんっぜん神じゃなかった。
メチャクチャ優しい顔で笑うくせに中身は悪魔だった。
「……神代先輩ってあんまり表情を変えたりしないけど、怖いとか思ったりはしないんですか?」
と聞いてみる。
それに対し、先輩はまた笑う。
「いや、怖いよ。 「何も居ないな」って場所でも雰囲気がヤバいところは結構あるし、不意に出てこられるとやっぱりビックリするしね。 本当は毎回ビクビクしながら歩いてるんだ」
「え、全然平気そうな顔してるのに?」
「うん。 というか、顔に出さないように気をつけてる。 良くないモノに気づかれると色々と面倒だし、それに……体質のことを知られると、普通の人は怖がるだろう?」
「あぁ……なるほど」
表情を変えないのは、幽霊に「見えている」と気づかれないようにするため。
そして、生きてる人に「見えている」と気づかれないようにするためなんだ。