独占愛~冷酷御曹司の甘い誘惑
「真っ赤にはなるけど、嫌がらないのも梁瀬社長が好きだからでしょ」



「え……」



好き?



私が? 



瑛さんを?



二文字の言葉が心の中でふわりと揺れる。

温かくて泣きそうな、切ない感情が胸の内でゆっくりと花開いていく。



……ああ、そうか。



瑛さんの表情から目が離せないのに、直視できないのも。

言われた言葉を何度も反芻しては一喜一憂するのも、彼のために努力したいと考えるのも。

息遣いや体温に、触れる指先に、体と心が震えてしまうのは恋をしているから。


瑛さんを好きだから、だったんだ。


自覚した途端、今までの感情すべてが腑に落ちた。

同時に、叶わぬ恋に胸が苦しくなった。

出会ってこんなに短い時間で恋に落ちるなんて……好きになるつもりすらなかったのに。



「理解できた?」



困ったように目尻を下げた親友に尋ねられ、うなずく。



「……好きに、なりたくなかった」



私の想いなんて、邪魔でしかない。



「どうして? 心底愛し合える夫婦なんて最高じゃないの」



「愛さないって宣言されたって話したでしょ?」



「それって初対面のときよね? 今は違うかもしれないじゃない」



強い語調で言い募る親友に、首を横に振る。



「気持ちを伝えられたことは一度もないわ」



「それは彩萌もでしょ? いっそ告白してみたら?」



突拍子もない発言に、ごくりと息を呑む。
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